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野の花図鑑・・・あ行の花

アオツヅラフジ(青つづらふじ)  ツヅラフジ科 


別名:カミエビ
花期:夏

つる性の雌雄異株の木本です。
果実の表面に白い粉がふいています。

別名のカミエビはこの白い粉をカビと見ているものです。
エビはブドウの古名だそうです。

アオノツガザクラ (青栂桜) ツツジ科


花期】 78
草丈】 1030 cm程度
和名の由来白色の花のツガザクラに対して、
緑黄色の花をつけることから「アオ」。
「ツガ」は葉の形が針葉樹のツガに似ていることから。
「サクラ」は花の形が似ていることから。
生育地・特徴など高山の湿った草地や雪渓の周辺に生える常緑小低木。
枝はよく分かれて地面を這い、斜上する。
葉の縁は外側に巻き込んでいるので細く見える。
花柄は細く、腺毛がある。クリーム色の花は小さな壺状、
510個がまとまって下向きにつく。
花弁の先は小さく
5つに分かれる。

アカツメグサ  マメ科( ジャジクソウ属 ) : 多年草


花期 : 5月〜8月
草丈 : 20〜60センチ
生育地 : 空き地など
分布 : 日本各地

仲間の植物
白詰草シロツメクサストロベリーキャンドル米粒
詰草コメツブツメクサ
薬玉詰草クスダマツメクサ タチオランダゲンゲ 雪花詰草
セッカツメクサ

アカバナ(赤花)  アカバナ科 


花期:夏〜秋

山中の湿地に生える多年草です。
イワアカバナ(岩赤花)より葉が狭いことなどの違いがありますが,
一番の違いは,イワアカバナの雌
しべの柱頭は膨らんでいるが,
アカバナの柱頭は棍棒状であること。

アカバナ・種子 (赤花)  アカバナ科  
 

花期:夏〜秋

アカバナの細長い果実が熟して4つに裂けてきました。 

裂けた果実がくるっとカールしたその中には種子が
長い種髪を両側に伸ばし、綺麗に整列しています。

アカモノ (赤物)、イワハゼ  ツツジ科


花期】 67
草丈】 1030 cm程度
和名の由来赤い果実に基づく。赤桃の訛りともいわれる。

生育地・特徴など山地・高山の礫地や草原に生える常緑小低木。
葉は広卵形で、厚くて堅く、先はやや尖る。鐘形の花を下向きにつけ、
花冠の先は浅く
5つに裂けて反り返る。果実は赤くて楕円形。

アキノキリンソウ  キク科 アキノキリンソウ属

 アキノキリンソウは日本全国に生育する多年生の草本。
草原から明るい森林に生育する。和名は秋に咲く麒麟草であり、花

が美しいのでベンケイソウ科のキリンソウにたとえたものという。
 


アキノキリンソウの仲間は高山や島嶼などで変異があり、

ミヤマアキノキリンソウ(コガネギク)、キリガミネアキノキリンソウ、

ハチジョウアキノキリンソウ、イッスンキンカ、オオアキノキリンソウなどがある。

アキノタムラソウ シソ科 アキギリ属


アキノタムラソウは秋に咲くイメージの名前が付けられているが、

6月の梅雨のさなかから開花しはじめ、初秋まで花が続く。

ナツノタムラソウと改名したいところであるが、すでにナツノタムラソウは存在している
 

アキノタムラソウは山形県以西の本州、四国、九州、朝鮮・中国に分布する多年生の草本。

山際の道端、畦道、刈り取り草原などに極普通に生育している。
やや日照が制限された場所に多く、
刈り取りにも耐える。
葉は3枚の小葉からなることが多いが、変異は大きい。

アクシバ (灰汁柴) ツツジ科 スノキ属 

花期 67

草丈 2050 a
分布 北海道、本州、四国、九州


山野に生える小低木。樹皮は緑色で、枝は多く分岐して水平に広がり
る。

葉は長さ2〜6pで互生し先は尖る。表面は緑色で脈状に毛がある。

裏面は粉白緑色で無毛。縁に細かい鋸歯がある。
葉のわきに淡紅色の花が垂れ下がってつく。

アケビ  (あけび)科 木通)

三葉(みつば)木通) Akebia : アケビ属 (日本名「アケビ」) quinata :
五枚の小葉の
trifoliata : 三枚の葉の

・開花時期は、 4/ 1頃〜 4/ 末頃。 ・つる性植物。

・名前は、実が熟して割れたさまが、人の「あくび」
に似ていることから「あけび」に変化していった。

 また、実は熟してくるとぱっくり口をあけたように 裂けることから、
「開け実」→「あけび」になった、 という説もある。

白い中身は食べられる。 (右写真は裂けてきた状態) つるの部分は利尿作用があり、

漢字の「木通」は、 「小水が通じるつるの木」からきているらしい。

アザミ )、キク科  アザミ属

標準和名を単にアザミとする種はない。スコットランドの国花。

葉は深い切れ込みがあるものが多い。また葉や総苞にトゲが多く、さわるととても痛いものが多い。

頭状花序は管状花のみで作られていて、多くのキクのように周囲に花びら状の舌状花がならばない。

花からは雄蘂や雌蘂が棒状に突き出し、これも針山のような景色となる。
花色は赤紫色や紫色をしている。

種子には長い冠毛がある。

若いときには根出葉があり、次第に背が高くなり、茎葉を持つが、
最後まで根出葉の残る種もある。

草原や乾燥地、海岸などに出るが、森林内にはあまり出現しない。

別名刺草。名前の由来は、アザム傷つける、驚きあきれる意がもとで、
花を折ろうとするととげに刺されて驚くからという説がある。

アズキナシ   (バラ科 ナナカマド属)   別名 はかり

北海道から九州に分布する落葉の高木。高木といってもあまり高くはならない.
特徴は、葉に規則正しい波状の構造があることである。葉には1013対の明瞭な側脈があり、

側脈が葉の裏側に突出している。等間隔の側脈が物差しの目盛りをイメージさせるからか。

春に白い花を咲かせ、秋には赤い小さなアズキほどの果実を付ける。
       

アズマイチゲ (東一華) キンポウゲ科
花期 45
草丈 1525 cm
和名の由来 「東」は関東を意味し、「一華」はイチリンソウ属(学名はアネモネ)の
花の一名(一輪草; ほかに一夏草とか一花草、一華草と書かれる)。

花が茎の先に1個だけつくので、一輪草。関東産のイチリンソウという意味だが、
北海道にも広く分布する。
生育地・特徴など 低地〜山地の明るい林内に生える多年草。
花弁に見えるのはすべてが
く片で、

813枚ある。裏側は薄い紅色を帯びる。キクザキイチゲとよく似ているが、
アズマイチゲの葉は
3小葉に分かれ、

先は丸みがあって少し垂れ下がっているように見える。
ヒメイチゲやエゾイチゲの花は
がく片の数が57枚と少なく、

また一般的に開花時期も遅いのでこれらと容易に区別できる

アズマギク (東菊) キク科 ムカシヨモギ属 

分布 本州(中部地方以北)
花期 4−6月

乾いた草原に見られる多年草。茎はそう生するか1本立ちし、
高さ20cm程度。根出葉はロゼット状で
へら形。春〜初夏に開花。


アズマシャクナゲ (東石楠花) ツツジ科     

アズマシャクナゲは山地から亜高山にかけて生えるシャクナゲで、
関東から東北にかけての東国に分布するということでこの名が付いた。

高さ3mにもなることがある。

単にシャクナゲというときは、アズマシャクナゲを指す。

ハクサンシャクナゲとは、若枝に必ず褐色の毛があり、葉と葉柄との境が不明瞭な点が違う。

また、葉裏に毛が多いが、ハクサンシャクナゲは普通両面とも毛がない。

アズマシロガネソウ  キンポウゲ科 シロガネソウ属

アズマの名が付くが、秋田県〜福井県の日本海側に分布する。
林内に生える多年草で、背丈10〜25センチ。根生葉はなく、

上部に少数の葉を対生する。頂小葉は倒卵形で、基部はくさび状、鈍い鋸歯がある。
花は半開し、直径7〜10ミリ、やや垂れ下がって咲く。

花(萼片)は黄緑色で、外側は紫色を帯びる。花弁の舷部は1枚で内曲する。

アズマヤマアザミ (東山薊) キク科 アザミ属  

分布: 本州(関東地方、中部地方)
花期: 9〜11月
特徴:
山林内や林縁に生える。高さ1.5〜2m。
茎葉 は長楕円形で先は鋭く尖り、長さ25〜50p、羽状に中〜深裂し、刺針がある。
頭花は穂状 につき、上向きまたは斜め上向きに咲く。
総苞はクモ毛があり、やや粘着する。

アブラチャン (油瀝青)  クスノキ科  

花期:春

各地の山野に生える落葉低木〜小低木です。
春に,葉に先駆けて黄緑色の小さい花を散形状につけます。

雌雄異株です。

雄花は雄しべ9 本あります。

雌花にも葯のない仮雄しべがあるのですが,
中心には下部が膨らんだ雌しべがあるのでわかります。

花被片は 6 個です。
果実や樹皮に含まれる油を灯用に使ったとのことです。

アポイアズマギク (アポイ東菊) キク科


花期 56
草丈 1015 cm程度。
和名の由来アポイ岳に特産する東菊。
東菊は関東北部から東北に分布する「キク」だから。
生育地・特徴などアポイ岳と崕山の礫地や周りの草地に生える多年草。
ミヤマアズマギクの変種。

ミヤマアズマギクと比べて葉の幅はより狭い。
花茎は暗紫色を帯び、葉も含めて全体に毛が少ない。

花びらに見える舌状花はふつう白色であるが、赤紫色を帯びるものもある。
また、咲き終わりに赤味を帯びる。

アマナ  ユリ科 アマナ属

アマナは、本州の東北地方南部以南、四国、九州に分布する。

川沿いや田の畦などの草地や明るい落葉広葉樹林の林縁部などに生育する。

和名の由来は地下に有る鱗茎が、食べると甘いことによるとされる。

葉は細長く白緑色で2枚が根生する。
花期は3〜4月、2〜3個の苞葉をつけた花茎を伸ばし、白色の花をただ一つつける。

花被片は6枚で外側には赤紫色の筋があり、花は日光を受けて開く。

アラシグサ  ユキノシタ科 アラシグサ属

高山帯のやや湿った草地に生える多年草で、
花茎の高さ20〜40センチ。白い短毛を密生する。
根生葉は腎円形で、掌状に7〜9
裂し、
裂片はさらに3〜5
裂し、先端は鋭形となる。
花弁は黄緑色で、萼片よりわずかに短い。

イイデリンドウ  ( 飯豊竜胆 ) リンドウ科  リンドウ属


花期:7〜8月 多年草
丈:5〜15
cm
自生地:高山帯の草地
花の色:淡青色
花の形:5数性
葉の形:5〜13
mmで鋸歯がない
その他:萼裂片の先は平開しない

イカリソウ(碇草)  メギ科 イカリソウ属

花期  花期4〜5月

イカリソウは花の形が碇の形に似ているため

特性  常緑の多年草。  落葉樹林の林床に生える。  草丈30cm〜50cm。
主に日本海側の山地に生育し、北陸では白い花の個体が多い。
葉は2回3出複葉。 小葉は偏卵形から長楕円形で葉縁には小さな刺がある。
基部は深い心形。 先端は尾状に伸びる。 常緑、葉はやや堅い。
花茎を出して、先端に長い距のある花を数個咲かせる。 花の色は白色〜紅紫色。
花弁は4枚。 直径は3〜4cm。 

分布  本州(関東、中部、近畿、中国) 特に日本海側に多い。

イケマ  ガガイモ科 


花期:夏

蔓性の多年草で,山地の林の縁などに自生します。アイヌ語が語源で,
イケマというのは「根の太い蔓草」あるいは

「神の足」という意味だそうです(根はアルカロイドを含み有毒)。
茎を切ると白い乳液を出します。コイケマに似ていますが,

花の柄が長くて葉の上に出て咲くのがイケマ,花の柄が短くて葉の下に咲くのがコイケマです。
一つひとつの花は直径
5 ミリくらいで,

多数集まって球形になっています。

イソツツジ (磯躑躅)、カラフトイソツツジ  ツツジ科

花期】 6月〜8月上旬
草丈】 50150 cm程度
和名の由来もともとエゾツツジと呼ぶべきところを誤ってイソツツジと呼ばれた。

生育地・特徴など低地〜高山の湿原、礫地、火山灰地などに生える常緑小低木。
葉は披針形で、硬く厚みがあり、縁は裏側に巻き込む。
花は枝先に多数かたまってつき、花弁は
5枚。
よく似たヒメイソツツジは葉が細くて縁が強く巻き込み、大雪山系の高山礫地で見られる。

イチヤクソウ(一薬草) イチヤクソウ科  イチヤクソウ属  


分布 
北海道、本州、四国、九州

名の由来  薬草とされたため名がついた。

花期  6〜7月

特性  常緑多年草。 やや明るい林内に生える。  草丈約20cm
やや厚く、葉柄のある数枚の葉が根元に集まってつく。
葉身は円形または広楕円形。長さ3〜6cm。  葉縁は目立たないが鋸歯がある。 
葉表面の葉脈部分の色が薄い。 表面は濃緑色、裏面は赤褐色。
長い花茎を出し、上部に白い花を数個〜10個をつける。
花冠は直径10〜12mm、深く5裂する。
 おしべは多く、めしべは長く伸び、湾曲する。

イチリンソウ(一輪草)   キンポウゲ科 イチリンソウ属

早春の頃に林の中や道の縁に咲いている。多年草。
根生葉は二回三出複葉で細かく裂けている。
葉の間から一本の花茎 を出して先に花をつける。
白いのは蕚だが、裏が薄いピンクのものもあって美しい。

名前は一輪の花が咲くのでイチリンソウ、葉や花の感じも名前もニリンソウに似ているので
もう少し小さな花かと思っていたが、遠くからでも目立つ大きめの花で意外だった。
とても可憐で美しい。

イヌタデ(犬蓼)  タデ科


別名:アカマンマ(赤まんま)
花期:夏〜秋

 
道端によくある雑草であり,子供のままごとに使われる。
子供達には「アカマンマ」という名前ならピンと来る。

オオイヌタデ(大犬蓼)より小さく,オオイヌタデとは違って穂が垂れない
(垂れるほど長い花穂ではない)。

イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)  シソ科


花期:春


伊吹山に多く,全体によい香りがあることから名付けられました。
「草」という名前ですが,これは草ではなく植物学的には「木」です。

石垣の間などに植えられたものが枝を出して繁茂し,全体を覆っているのを見かけます。

イブキトラノオ  タデ科、タデ属

花期は79月。

多年草。
山の日当たりの良い草地に生える。
茎は分枝せずに、直立し、高さ
30120cmになる。
根生葉は長い柄があり、長さ
820cm、幅25cmの卵状長楕円形で、先が尖る。
茎葉は細長く、上部のものほど葉柄が短くなり、無柄になる。

茎頂に長さ
38cmの細長い花穂が一個直立し、小さな花が多数つく。
花弁はなく、長さ
34mmの淡紅色〜白の萼が5深裂する。
しべは8個で、萼より少し長い。花柱は3個。

イワイチョウ (岩銀杏) ミツガシワ科 イワイチョウ属

花期:7〜8月  分布:北海道、本州(中部地方以北)

亜高山〜高山帯の湿地などに生え、茎の高さは15〜40センチ。
茎頂の集散状花序に、直径約1
センチの白色の花をまとまってつける。
花冠は深く5
裂し、裂片の中央に縦状のひだ、縁には波状
のしわがある。葉は腎円形で、根生し、長い柄がある。やや厚く、光沢があり、縁に細かい鋸歯が
ある。和名は葉が秋に黄葉し、それがイチョウに似ることに由来するという。

イワインチン (岩茵陳) 

日本に分布するキク属の植物には、筒状花ばかりの頭花をつけるグループがあります。


イソギクやシオギクなど海岸の岩場に生えるものが多いなかで、

亜高山帯から高山にかけての岩場や砂礫地に進出したのがイワインチンです。

イワウチワ(岩団扇)  イワウメ科

花期:春

本州中国地方以北の山地帯の林内や林縁,岩場などに生える常緑多年草です。

花弁は 5 枚で,先がギザギザに裂けています。花の色は普通は淡紅色です。

イワウメ(岩梅) イワウメ科

分布:北海道、本州(北部・中部)
場所:高山の岩礫地や岩場

花の時期:6−7月
花の色:白

草丈:高さ数cmの小形の常緑の低木
茎:枝は短く這って叢生し密に葉をつける

葉:卵状で厚く6−15mm、光沢がある
花:1−2cmの柄を出して先に1個ずつつける

イワウメ科の仲間にはイワカガミ、イワウチワがあります

イワオウギ [岩黄耆]  (マメ科)

花期:6-8
分布:北・本(中部以北)


低山帯上部〜高山帯の岩場や礫の多い草地に生える多年草で、しばしば群生し、

房になって咲くのでよく目立つ。名は漢方の黄耆に似ていることから。


この仲間にはシロウマオウギ、タイツリオウギ、リシリオウギなど似たものがあり、

慣れないと見分けにくいが、このイワオウギは他の3種と別属(イワオウギ属)で、

花が穂状に長いので比較的同定しやすい。また本種は他と違い、

果実のさやに豆ごとにくびれができることで明確に区別できる。



イワオトギリ (岩弟切)オトギリソウ科 オトギリソウ属
 

亜高山〜高山帯の林縁や開けた草地に生える多年草で、
高さ20センチほど。稀に35センチ。
花は直径2センチほどで、シナノオトギリよりもやや小さい。
葉の全体に黒点が散らばり、縁には少ない。

イワカガミ(岩鏡)  イワウメ科

花期:春


高山や深山の草地や岩場に群生する,常緑多年草です。

花の先は大まかに 5 裂し,先端は細かく裂けています。

葉は丸く,光沢があります。岩場に生えることと,
葉に光沢があることによりつけられた和名です。

イワガラミ (ユキノシタ科 イワガラミ属)

落葉つる性木本。 幹や枝から気根を出し、他物を這い登る。
前年枝の樹皮は縦に裂け剥がれ落ちる。
葉は単葉で対生。 葉身は広卵形で。 長さ5〜16cm、幅は5〜10cm
表面は緑色で、葉の裏面は淡白緑色。 葉縁は大きな鋸歯。 側脈は5〜8対
花は枝先に直径10〜20cmの総状花序を出す。 装飾花は白色で蕚片が1個つく。
果実は朔果で長さ5〜7mmの倒円錐形。

類似種のツルアジサイ
は装飾花の蕚片が4個,、葉縁の鋸歯が細かい。

イワギキョウ (岩桔梗) キキョウ科

キキョウ科の多年草。根出葉は倒卵状披針(ひしん)形で、とがった鋸歯(きょし)があり、
基部は翼のある柄となる。

花茎は高さ512センチメートル、倒披針形の柄のない小さな葉を数枚互生する。

8月、花茎の先に鮮やかな紫色の花を1個横向きに開く。

花冠は広鐘形で5裂し、毛はない。

萼(がく)は粗毛があって5裂し、裂片は線形で少数の鋸歯があり開出する。

果実は果(さくか)で上を向いて裂開する。本州の中部地方以北、
北海道の高山帯の岩隙(がんげき)や礫地(れきち)に生え、

千島、樺太(からふと)(サハリン)、アリューシャン、カムチャツカ、アラスカに分布する。

名は、岩場に生え、花がキキョウに似るのでいう。よく似たチシマギキョウは花冠の内面に毛があり、
葉に波状の低い鋸歯がある。
分布域もほぼ同じである。

イワショウブ (岩菖蒲)  ユリ科  チシマゼキショウ属  

この花はつぼみ、花、実と変わっていくときの色の変化が面白いです。

つぼみのときは紅色、咲き始めは赤味がかっていますが、咲き終わるとまた
赤味がかって実になると真っ赤、
そして枯れる頃には真っ白です。

イワツツジ    (ツツジ科  スノキ属) 

イワツツジは亜寒帯の針葉樹林下や林縁に生える、

一見したところ多年草のような落葉小低木。

本州の高山、北海道、千島列島、ウスリー地方に分布する。
地表やコケの這う岩や倒木上に生え、
やや安定した立地を好むようである。

地下茎から茎が立ち上がって
3枚程度の葉を展開する。茎はあまり高くはならず10cm程度、

地下茎がよく伸びて広がる。葉は広楕円形で長さ5cm、幅3cm程度。夏に小型の花を咲かせ、

実は秋に赤熟して美しく、あまりおいしくもないが食べることができる。

イワツメグサ  (岩爪草)  ナデシコ科      ハコベ属    

      

花期 7〜9月

高山の岩礫地や裸地に生える多年草。
花は白色、径 1
. 5 cm ほど。   5 弁花だが、
花弁の先端が裂けているので 10 弁花のように見える。
イワツメグサは、岩間に生える「ツメクサ」の意味。

イワナシ   ツツジ科 イワナシ属

花期は4〜6月

亜高山帯の林内や傾斜地に生える小低木で、高さは10〜20センチと低く、

地を這うように生える。葉は互生し、楕円形で革質、光沢がある。
花は長さ1.5センチほどの筒状で、先は5裂する。

果実は夏に熟し、食べられる。味が梨に似ているのでこの名がある。

北海道西南部、本州青森県〜島根県の日本海側に分布する。


イワヒゲ (岩鬚) ツツジ科


花期】 7月〜8月上旬
草丈】 5 cm程度。這性。
和名の由来岩地にあって、髭状に細い枝を茂らすところから。
生育地・特徴など高山の岩礫地や砂礫地に生える匍匐性の常緑小低木。
よく分枝してマット状に広がる。

葉はふつう対生し、鱗状に重なって茎に密着する。
花冠は釣鐘状で、下向きに咲く。花冠の先は浅く
5つに裂け、

萼も5裂する。雌しべ1本、雄しべが10本ある。

イワブクロ (岩袋)、タルマイソウ ゴマノハグサ科

花期】 78
草丈】 1020 cm程度
和名の由来岩間に生え、花冠の形が袋状であることから。
別名のタルマイソウは樽前山で多く見られることから。

生育地・特徴など亜高山〜高山の岩場や砂礫地に生える多年草。

葉は先の尖った長楕円形で、交互に対生する。縁には鋸歯がある。

深い鐘形の花が茎の先に横向きに数個つく。
花冠は上下に唇状に裂け、
上唇はさらに2つに、下唇は3つに裂ける。
花冠の縁には長い毛が生える。

イワベンケイ (岩弁慶) ベンケイソウ科


花期】 6月中旬〜7
草丈】 1030 cm程度
和名の由来岩場に咲くベンケイソウの意。
「ベンケイ」は切ってもなかなか枯れない強健な性質を弁慶に例えたもの。

生育地・特徴など亜高山〜高山帯の岩場、時に草地に生える多年草。雌雄異株
葉は厚く肉質で密に互生する。

花は茎の先に多数つき、雄花は淡黄色、雌花は雄花よりやや小さく、赤味を帯びる。

ウコンウツギ (鬱金空木) スイカズラ科

花期】 6月下旬〜7
草丈】 12 m程度
和名の由来ウコンは花の黄色から、ウツギは茎が中空なことから。
生育地・特徴など亜高山〜高山の林内や草地に生える落葉低木。

よく分枝して横に広がる。葉は先が尖った長楕円形で、縁に鋸歯がある。

花冠は淡黄色で、先が浅く5つに裂ける。内側の下に橙色〜赤褐色の斑点がある。

ウサギギク  兎菊キク科 ウサギギク属


花期は7〜8月

高山帯の乾いた草地や砂礫地に生える多年草で、花茎の高さ15〜30センチ。

茎の下部の葉はふつう対生まれに互生し、さじ形、縁に小さい鋸歯がある。
茎の中部の葉は小さく、
互生し、卵状披針形。縮れた毛を密生し、茎頂に1花を付ける。
頭花は黄色で、直径4〜5.5センチ。花冠の筒状部に毛が散生する。



ウスノキ  (臼の木)  ツツジ科


別名:カクミノスノキ(角実の酢の木)
花期:春

高さ 1 メートルほどの落葉低木です。
壷型の花で,先は
5 裂しています。液果は酸味があり,赤く熟すと食べられます。

ウスバサイシン(薄葉細辛)  ウマノスズクサ科


別名:サイシン(細辛)
花期:春

 
山地のやや湿った林下に生える多年草です。
別名をサイシン(細辛)というのは,根を漢方で細辛とよび鎮痛,鎮咳,

去痰に用いるためだそうです。花は葉柄の基部につきますが,
小さくて褐色でうっかり見逃しそうです。

ウスユキソウ(薄雪草)  キク科

花期:夏

 
先端の葉や花が白い毛に覆われたところをたとえた名前です。

ウスユキトウヒレン (薄雪唐飛廉) キク科

花期 7月下旬〜8
草丈 520 cm程度
和名の由来ヒレアザミ(飛廉のこと)に基づく。

生育地・特徴など大雪、夕張、北日高山系と羊蹄山の礫地に生える多年草。

全体に縮毛があって白っぽく見える。頭花は花茎の上に48個つく。

変種のユキバトウヒレンは葉の裏に綿毛があって白くなっている。

ウズラバハクサンチドリ (鶉葉白山千鳥) ラン科

花期】 7
草丈】 1040 cm程度
和名の由来葉にウズラの卵のような斑点のあるハクサンチドリ。
生育地・特徴など高山の草地に生える多年草。
ハクサンチドリの
1品種で、葉にアズキ色の斑点がある。

ウツボグサ(靫草)  シソ科

別名:カコソウ(夏枯草)
花期:夏

 
日当たりのよい路傍・野原・丘陵などに生える多年草です。茎の断面が四角形です。
靫というのは,花穂が弓矢を入れる靫に似ているためだそうです。
別名はカコソウ(夏枯草)といい,花の後の枯れた穂を利尿薬として用いるとのこと。

ウメバチソウ (梅鉢草) ユキノシタ科


花期】 89
草丈】 1050 cm程度
和名の由来花の形が梅鉢の家紋に似ていることから。
生育地・特徴など低地〜山地の明るい湿地や草原に生える多年草。

全体無毛。根出葉は円心形で長い柄がある。茎につく葉も円心〜広卵形で、

茎を抱く。茎先に径2cmほどの白い花が1個咲く。雄しべは5本だが、

不稔性の仮雄しべ(仮雄芯)5本が稔性のと交互に並んで雌しべを囲む。

仮雄しべの先は糸状に1522に分かれている。コウメバチソウは本種の高地型で、

草丈が低く、仮雄しべの先は711裂している。

ウラシマツツジ (裏縞躑躅) ツツジ科

花期】 5月下旬〜7月上旬
草丈】 25 cm程度
和名の由来葉の裏面に細かい網目縞模様が見えるところから。
生育地・特徴など高山の岩場や周りの草地に生える落葉する矮小の小低木。

茎は地中にのび、枝先が地上に出る。葉は倒卵形、表面は光沢があり粗いスリガラス状、

裏は白色を帯びて細かい網目模様がある。花は長い壷形で、

先端は5つに分かれる。果実は最初赤色で、熟すと黒紫色となる。

ウラジロヨウラク (裏白瓔珞) ツツジ科  別名:ツリガネツツジ


6月中旬〜7月  ヨウラクツツジ属  落葉低木

北海道・本州中部以北の太平洋側および四国の山地に生える。
高さ1〜2m、葉は長さ3〜7cm、後先の尖る卵形、裏は緑白色。
花は粉白を帯びた紅紫色、長さ約1.5cm、釣鐘状筒形、先端は浅く5
裂し外へ反ります

ウルップスソウ  ウルップスソウ属  ゴマノハグサ科 

別名:ハマレンゲ

花期:8

草丈:15cm〜30cm

長大な地下茎をもつ、肉質の太い根と長柄の根性葉と無柄の茎葉を互生させる。

ウワミズザクラ(上溝桜)  バラ科

別名:ハハカ
花期:春


長さ
6 8 センチの総状花序を出し白い 5 弁のちいさな花をたくさんつけます。
総状花序の下に葉がついています。

イヌザクラ(犬桜)に似ていますが,遙かにきれいです。

エゴノキ   エゴノキ科    落葉高木

日本全土、朝鮮、台湾、中国原産

開花時期は5月。白花の野生種と赤花の園芸種がある。

初夏に可憐に垂れ下がる花をたくさん着け、また、樹形も美しいため、

1年を通して楽しめ、近年では一般家庭のシンボルツリーとしても人気がある。

エゾイソツツジ (磯躑躅)、カラフトイソツツジ  ツツジ科

花期】 6月〜8月上旬
草丈】 50150 cm程度
和名の由来もともとエゾツツジと呼ぶべきところを誤ってイソツツジと呼ばれた。

生育地・特徴など低地〜高山の湿原、礫地、火山灰地などに生える常緑小低木。

葉は披針形で、硬く厚みがあり、縁は裏側に巻き込む。
花は枝先に多数かたまってつき、
花弁は5枚。

よく似たヒメイソツツジは葉が細くて縁が強く巻き込み、大雪山系の高山礫地で見られる。

エゾウメバチソウ (ユキノシタ科 ウメバチソウ属)

亜高山〜高山の湿った草地や礫地で見られます。
花期は8〜9月頃。 草丈
20cm前後の多年草。

梅鉢草(えぞばちそう)の名は、家紋の梅鉢に似ているところから名付けられました。
しべは5本ですが、 その間に仮雄しべというものがあって、その先が糸状に分かれています。
この仮雄
しべが914に分かれているものを エゾウメバチソウと言います。
ちなみに、ウメバチソウは
1522裂、コウメバチソウは79裂だということです。

エゾオオサクラソウ (蝦夷大桜草) サクラソウ科


花期 56
草丈 1530 cm
和名の由来 「桜草」は花が桜のようだから。
オオサクラソウは北海道のみならず本州の北・中部に分布するが、

この花は北海道のみに見られるので「蝦夷」がついたのであろう。

生育地・特徴など低山や山地の林内や沢沿いに生える多年草。

道東や日高地方に見られる。主に道南に見られるオオサクラソウの変種で、

葉柄や花茎に白毛が密に生えるので容易に区別できる。

エゾオヤマノエンドウ (蝦夷御山豌豆) マメ科

花期】 7月〜8月上旬
草丈】 310 cm程度
和名の由来北海道特産のオヤマノエンドウ。
生育地・特徴など表大雪と北大雪の礫地に生える矮小低木。

オヤマノエンドウの一変種で、全体に毛が多いところが母種との相違点。

1つの花茎に通常2つの花をつける。
果実は花より大きく、長さは
34 cmになる。

エゾカンゾウ (蝦夷甘草)、エゾゼンテイカ、ニッコウキスゲ  ユリ科

花期】 6月中旬〜8月上旬
草丈】 5070 cm程度
和名の由来カンゾウ(甘草)は葉がクセのない味がすることからか?

薬用植物の甘草(マメ科)とは異なる。別名のゼンテイカ(禅庭花)の由来は不明。

キスゲの由来は、葉が細長くてスゲの葉に似ていて黄色の花が咲くことから。
生育地・特徴など湿原、山地や海岸の草原に生える多年草。葉は柔らかく扁平。

橙黄色の花は数個が茎先につき、長さは810cm。朝開花して夕方に閉じる。

よく似たエゾキスゲの花はレモンのような鮮やかな黄色で、茎先に1〜数個つき、
夕方に開花して翌日の午後に閉じる。

エゾキンバイ   ( 蝦夷金梅 )  キンポウゲ科 *

シナノキンバイと同種・・・北海道にさくからエゾキンバイ・・・?

エゾコザクラ (蝦夷子桜) サクラソウ科

花期】 6月下旬〜8月中旬
草丈】 1015 cm程度
和名の由来北海道特産の小型のサクラソウ。
生育地・特徴など北海道の高山帯の湿った所に咲く多年草。

よく群生する。細い楔形の葉はやや多肉質で、上半分に大きな切れ込み状の鋸歯がある。

2 cm程度の花が1茎に110個ほどつく。

エゾスカシユリ (蝦夷透百合) ユリ科

花期】 6月中旬〜7
草丈】 3080 cm程度
和名の由来萼と花弁の根元に隙間があって、
花の内側を外側からすかして見ることができるから。
生育地・特徴など北海道の海岸草地や山地の岩場などに生える多年草。
茎は角張っていて、
披針形の葉が多数互生する。茎の先に15個ほどの花が上向きにつく。

山地に生えるものは花数は少ない。花弁は6枚で濃い斑点があり、基部付近が細くなって、
隙間ができる。

エゾタカネスミレ (蝦夷高嶺菫) スミレ科

花期】 6月中旬〜7月中旬
草丈】 510 cm程度
和名の由来北海道特産の高地で咲くスミレの意。タカネキスミレとも呼ばれる。
生育地・特徴など大雪、夕張、日高山系と羊蹄山に生える多年草。葉は厚くて腎心型で、

光沢はない。花弁は濃い黄色。本州のタカネスミレの花柱には突起があり、葉には光沢がある。

しかし、細かく分けずにタカネスミレにまとめられることもある。

エゾタケシマラン(蝦夷竹縞蘭)  ユリ科 タケシマラン属

花期6〜7月

特徴
 草丈10〜30cmの多年草。
 葉は卵状披針形で長さ3〜10cm、葉の縁に柱状突起がある。
 花は葉腋に1個垂れ下がる。花被片は淡紅色、披針形で平開して先が反り返る。
 液果は楕円形、長さ8〜12mm、赤熟する。

分布・生育地
 北海道、本州(中部地方以北) 深山の林下

エゾ(ノ)ツガザクラ (蝦夷栂桜) ツツジ科

花期】 78
草丈】 1020 cm程度
和名の由来北海道に産するツガザクラの仲間。
「ツガ」は葉の形が針葉樹のツガに似ていることから。

「サクラ」は花の形が似ていることから。
生育地・特徴など高山の湿った草地や雪渓の周辺に生える常緑小低木。

枝分れが多く、カーペット状に群生することが多い。線形の葉が密に互生する。

枝先に紡錘形の花が数個ぶら下がる。花冠の表面には腺毛がある。

アオノツガザクラとの自然雑種が多く見られ、花の形や色は多様である。

エゾツツジ (蝦夷躑躅) ツツジ科

花期】 78月上旬
草丈】 520 cm程度
和名の由来日本では最初に北海道で発見されたことから。
生育地・特徴など高山の岩礫地や草原に生える落葉小低木。

地面を這う幹から分枝し、葉は倒卵形で先は円く基部は楔型。

枝の先に花が13個つく。花冠は基部から5裂し、上側の花弁には茶色の斑点がある。

雄しべは10本で、うち下方の5本は長い。

エゾノハクサンイチゲ (蝦夷白山一華) キンポウゲ科

花期】 6月〜8月上旬
草丈】 1540 cm程度
和名の由来北海道産のハクサンイチゲ。「ハクサン」は石川県の白山に因む。

生育地・特徴など高山の草地に生える多年草。茎や葉柄には粗い毛が密生する。

根出葉は3出複葉でほぼ円形、小葉はさらに233出状に細かく裂ける。

柄のない茎葉(苞葉)が4枚輪生する。花は散形状に26個つく。

白色の花弁のように見えるのは萼片で、56枚ある。
本州産のハクサンイチゲとの相違は花の柄が短いことなど。

エゾヒメクワガタ (蝦夷姫鍬形) ゴマノハグサ科

花期】 78
草丈】 515 cm程度
和名の由来北海道に産するヒメクワガタ。
生育地・特徴など北海道の高山の礫地〜草地に生える多年草。全体に細かい軟毛がある。

柄のない広卵形の葉が対生する。縁には細かい鋸歯がある。
花は茎の先に数個まとまってつき、径
1 cmほどの花冠は先で4裂する。

雌しべが1本、雄しべが2本で、雌しべの花柱は花冠から突き出す。

本州に分布するヒメクワガタの仲間は花柱が短く、花冠から突き出ない。

エゾフウロ (蝦夷風露) フウロソウ科 フウロソウ属


花期7〜8月

原野や海岸などに生え、茎の高さは30〜80センチ。

よく分枝し、枝先に直径2.5〜3センチの淡紅紫色の花を
2個ずつつける。花弁、がくは5個、雄
しべは10個、雌しべの先は5裂する。

葉は掌状に5個に深く裂け、裂片はさらに切れ込む。花柄、葉柄、がくに開出毛が密生する。

分布:北海道、本州
(中部地方以北)

エゾノヨツバ ムグラ   (蝦夷の四葉葎 )  アカネ科 ヤエムグラ属

高さ10-20cm程。亜高山の針葉樹林帯に生える多年草。

根茎は細く浅い地中を這って枝分かれする。
茎は四角形で直立し、葉は4個輪生する。葉は広倒卵形で長さ
8-20o

茎の先又は葉腋から集散花序を出しまばらに白から黄緑色の花をつける。

花冠は4裂し直径は1.5-2o。果実には長い鉤状の毛が生える。  

エゾノリュウキンカ (蝦夷立金花)、ヤチブキ キンポウゲ科

花期 46
草丈 5080 cm
和名の由来立金花とは茎が立ち上がって、黄金色の花を付けるところから。

生育地・特徴など沼地や山地の湿地帯に生える多年草。

葉はつやのある腎形でフキに似て、縁に粗い鋸歯がある。

花茎は立ち上がり、枝分れしながら先端に57枚の花弁状の萼をもつ花を付ける。

少し苦いが、食べられる。似た花のエンコウソウ(猿猴草)は這うように茎を伸ばす。

エゾリンドウ (蝦夷竜胆) リンドウ科 リンドウ属

低地〜山地の湿地などに生え、茎の高さは30〜80センチ。
茎頂と上部の葉腋に長さ3〜5センチの
青紫色の花を数個ずつつける。葉は披針形〜広披針形で対生し、
裏は粉白色を帯びる。本種に似るホロムイリンドウは、葉の幅が狭く線状披針形。

花期:9〜10月  分布:北海道、本州
(中部地方以北)

草津白根山で撮影

エニシダ  (マメ科 エニシダ属)

エニシダは江戸時代に中国を経由して渡来した地中海地方原産の落葉低木。

高さ数mになり、枝はほうき状に分かれて先端は垂れ下がる。4月から5月にかけ、

黄色い花を咲かせる。葉は3つの小葉からなるが、花の咲く枝では頂小葉のみになるので、

単葉に見える。落葉低木といっても少し趣は異なる。春には新しい葉がでるものの、

初夏には葉が少なくなり、種子が稔る9月頃には点々と葉が残る程度になってしまう。

枝が葉緑素を持っているので、あまり葉を付けていなくても十分光合成できるのではないかと思う。

原産地の地中海地方は、夏が少雨で乾燥する時期であるので、温暖で適度な降雨のある春には葉を付け、

乾燥する夏には葉を少なくして耐えるライフサイクルになっているものと思われる。

エンゴサク (延胡索)  ケマンソウ科キケマン属、多年草



花期】4〜5月

中国原産のものをエンゴサクで、和のものにはジロボウエンゴサク、
ヤマエンゴサク、エゾエンゴサクとあります。

鎮痙(胃腸の痙攣を鎮める作用)としての漢方薬とされています。
春に淡紅紫色の花をうつむきぎみに咲かせます。

エンレイソウ (延齢草) ユリ科

花期】 46  【草丈】 2050 cm
和名の由来薬草の効があり、中国で「延齢草根」という名の胃腸薬として用いられていたから。
生育地・特徴など低地や山地の林内に生える多年草。

葉は3枚で丸みを帯びた菱形。3枚の花弁のように見えるのは萼で、
色は緑色から小豆色まで変化が多い。

雄しべが6つ、雌しべは1つで先が3つに裂ける。緑や黒紫色の球形の実を付ける。


シロバナエンレイソウ(白花延齢草)  ユリ科  

別名:ミヤマエンレイソウ(深山延齢草)  花期:春

エンレイソウ(延齢草)というのは褐紫色の花をつけますが,本種は白い花をつけます。

ユリ科ですので,内花被,外花被が 3 枚ずつあり,白いのは内花被で,外花被は緑色です。

大きな 3 枚の葉が輪生しているのが特徴なので一目で分かりました。

オウレン(黄連)  キンポウゲ科


【花期】春

北海道,本州,四国の山地の樹林の下に生える多年草です。

根茎を苦味健胃整腸,消炎,精神不安に用います。漢方で「三黄丸」といいます。
白い小さな花びらのように見えるのは本当は萼で,白い細い線状のものが花です。

オオアマドコロ (大甘野老) ユリ科


花期】 5月下旬〜6
草丈】 60 cm1 m程度
和名の由来大型のアマドコロ。地下茎がヤマノイモ科のトコロに似ていて、

食べると甘味があるところから。トコロの地下茎にはひげ根がついて曲がっていることが多く、

その姿を老人に見立て、野原の老人ということで「野老」となった。

生育地・特徴など山地の林内のやや暗いところに生える多年草。

茎はやや角張り、弓なりに伸びる。葉はほとんど無柄。

先が緑色の筒状の花が葉の付け根から12個ずつぶら下がる。

花の先は反り返る。果実は黒く熟す。

オオイヌノフグリ ゴマノハグサ科 クワガタソウ属

オオイヌノフグリは、ヨーロッパ原産の帰化植物で、
1890
年頃に東京に帰化したことがわかっている。

路傍や畑の畦道などによく見られ、早春からコバルト色の花を咲かせる。

春の訪れを感じさせる植物の1つである。花弁は4枚、雄しべは2本である。


オオイヌノフグリは、秋の日だまりの中芽生える。

草刈りされた跡地にびっしりと小さなオオイヌノフグリが芽生え、

やがて花の時よりも大きいほどの葉を展開して高さ数cmほどに生長するが、

真冬になると大きくなるのをやめて花芽を付けはじめる。

オオウバユリ (大姥百合) ユリ科

花期】 7月〜8月上旬
草丈】 1.5 m2 m程度
和名の由来大型のウバユリ。花の盛りの頃に既に下の葉(歯)がとれかかることから、
 姥に見立てた。

生育地・特徴など低地〜丘陵地の林内に生える大型の多年草。

春先に脈が赤い葉が出る。葉には長い柄があるが、花をつける頃に葉がないこともある。

茎の上部にクリーム色を帯びた鐘形の花を10個〜20個ほど横向きにつける。

花被片は6枚ある。果実は楕円形で3つに裂け、種子がたくさん入っている

オオカサモチ(大傘持) セリ科 オオカサモチ属 


【分布】北海道、本州(中部以北)
【花期】7−8月

本州中北部以北の山地に見られる多年草。
高さ1.5m程度。葉は1−3回3出複葉。
7−8月に開花。別名オニカサモチ。

オオカメノキ (大亀の木) ムシカリ スイカズラ科

花期】 56
草丈】 23 m程度
和名の由来大きな亀の甲羅のような葉をつける木であるところから。

 別名ムシカリは「虫食われ」がなまったもので、葉が虫によく食べられるところから。
生育地・特徴など低山〜亜高山に生える、落葉低木。

亀の甲羅のような卵円形の葉が対生する。花の中央部に小さな両性花を多数つけ、

その周りを純白の飾り花(中性花)が取り囲んでいる。
果実は熟すにしたがって赤から黒色へ変わる。

オオバキスミレ(大葉黄菫)  スミレ科

高さ、花径、色1520cm2.53cm、黄色
花期、生育地5〜7月、山地の樹林内
分布北海道や本州(近畿以北の日本海側)
特徴・ほとんど無毛・茎の上部に3〜4枚の葉がまとまってつくが、
 1番下の葉は離れてつく、卵形で先が細くなってとがり、やや光沢がある
 ・花は1〜3個つく
由来大きな葉をもつ黄色いスミレのこと

オオバスノキ (大葉酢木)  ツツジ科 スノキ属

花期】5〜7月  

分布】北海道、本州、四国

山地〜亜高山帯の林縁などに生え、茎の高さが1メートルほどになる落葉低木。

前年の枝先に、長さ6〜7ミリの黄緑色に紅色の筋が入る花を1〜3個下向きにつける。

花冠は鐘形で、浅く5裂し、裂片の先は反り返る。葉は楕円形で、先がとがり、

縁に細かい鋸歯がある。果実は直径約8ミリの球形で
熟すと黒紫色を帯び、食べると酸っぱい。

オオバタケシマラン (大葉竹縞蘭)  ユリ科 タケシマラン属

花期【】6〜8月  】6〜8月  

分布】北海道、本州(中部地方以北)

低地〜高山帯の沢沿いなどの湿った場所に生え、茎の高さは20〜100センチ。
葉腋から細い花柄を下げ鐘形の花を下向きに1個つける。
花被片は白緑色で、長さ約1センチの線形。先は外側に反り返る。
花柄の途中に関節があり、ねじれる。葉は互生し、長楕円形で、先がとがる。
葉柄はなく、葉の基部は茎を抱き、裏は白っぽい。果実は液果で、赤く熟す。

オオヒョウタンボク (大瓢箪木)スイカズラ科スイカズラ属

2つの花が寄り添うように咲いている真っ赤な実もまた寄り添うようくっついている
その姿が瓢箪のようなのでヒョウタンボク。
でも、ヒョウタンボク、別名「嫁殺し」、猛毒なのだそうな。

オオマルバノホロシ (大丸葉の保呂之) ナス科

低い山地の湿原などに生える多年草。茎はやわらかく、ややつる状。
葉は先にとがった卵形で、ふちにギザはない。
 
7〜9月頃、5つに裂けた紫色の花をつける。実(写真円内)は細長い球形で、赤く熟す。

オオレイジンソウ  (大伶人草) キンポウゲ科  トリカブト属

伶人は雅楽をする人のこと。その伶人がかぶる冠に似ているのでこの名がついた。

気品のある花ですがこれも有毒です。葉っぱはモミジカラマツの葉に似ています

オカトラノオ (岡虎の尾) サクラソウ科 

花期】 68
草丈】 60 cm1 m程度
和名の由来「虎の尾」は花穂の姿から。「岡」は、
この仲間である湿地に生えるヌマトラノオと区別するためであろう。

生育地・特徴など低地〜丘陵の明るい草原に生える多年草。

茎は直立し、ほとんど分枝しない。葉は長い楕円形で、先は尖る。縁には短毛がある。

多数の花が茎の先に総状につく。花冠の先は星型に5つに分かれる。

オガラバナ  (麻幹花)  カエデ科

高さ、花径、色50100cm7mmほど、薄い黄色
花期、生育地6〜8月、低地、高山帯の湿地

分布北海道、本州(北中部)
特徴葉は手のひら状で裏に毛がある・花は直立した花序に密につける
     ・別名ホザキカエデ

オクエゾサイシン (奥蝦夷細辛) ウマノスズクサ科

花期 56
草丈 1020 cm程度
和名の由来サイシンとは、この植物の漢名「細辛」に基づく。

根が細く、辛味があるから。「奥蝦夷」とは北海道の深山に見られることによるのであろう。
生育地・特徴など低地〜亜高山の林内に生える多年草。

地面にある茎から赤味を帯びた長い柄のあるスペード型の葉が2枚出る。

花は葉の間から出る短い柄の先に付く。赤茶色の花弁のように見えるのは萼片で、

3枚の萼片が基部で合わさって丸い筒状になっている。萼片の先は反り返っている。

オクチョウジザクラ  バラ科 サクラ属

東北〜中部地方、近畿、中国地方、熊本県の山地に生える落葉小高木で、高さは3〜7メートル。

葉は倒卵状楕円形で鋸歯があり、先は尾状に尖る。鋸歯の先に腺体がある。

葉が開く前に、やや下向きに径1.5センチほどの花を開く。

萼筒は筒状で有毛。花期は3〜4月。青森県〜滋賀県の日本海側に生える。

オゼタイゲキ (尾瀬大戟) トウダイグサ科 トウダイグサ属 

【花期】6−7月
【分布】本州(尾瀬)


ハクサンタイゲキの変種で、尾瀬の高層湿原に見られる多年草。

高さ80cm程度。地下茎が横走する。葉は狭長楕円形で互生し、
茎の先の葉は丸く数枚が輪生する。夏に開花。

オタカラコウ (雄タカラコウ)  キク科

花期】夏〜秋

 
花や全体の様子はメタカラコウ(雌タカラコウ)に似ていますが,
より大型で葉が角張っていないなどの違いがあります。

オトギリソウ(弟切草)  オトギリソウ科


花期】夏〜秋

 
物騒な名前ですね。この草を原料とした秘薬の秘密を漏らした弟を兄が怒りのあまり
斬り殺したという伝説があるそうです。
 
葉は対生し,透かしてみると黒点がある。日当たりのよい野原・丘陵・山林に自生する。

オトコエシ(男郎花)  オミナエシ科


花期】晩夏〜秋

 
丘陵帯,山地の草原や道端に生える多年草です。
オミナエシ(女郎花)と対比させてつけられた名前で,オミナエシに比べて
強壮な感じがするからということです。

山野によく見られる多年草です。実に翼状の丸い小苞が付いています。

オドリコソウ (踊子草) シソ科

花期】 56
草丈】 3050 cm程度
和名の由来花の様子を、櫓の上で輪になって踊っている踊り子に見立てた。
生育地・特徴など低地〜山地の林内や草原、道端に生える多年草。

茎は直立し、柔らかい4角柱。葉は先が尖った卵形で、葉脈にまばらに毛が生え、全体に皺がある。

花は上部の対生した葉の脇に輪状に多数つく。花冠は基部が曲がって立ち上がる形で、

踊り子がかぶる笠に見える上唇と3つに裂けた下唇に分かれている。色は白〜淡紅色。

オニシモツケ  バラ科 シモツケソウ属


オニシモツケは北海道、本州中部以北に分布し、千島列島、樺太、
カムチャッカ半島などにも見られる大形の多年生草本。

山地の日当たりの良い湿った草地に群生し、河畔林の林内にもしばしば見られる。

草丈は2メートル近くにもなり、大きなシモツケソウであることが和名の由来とされる。

葉は、一見単葉に見えるが、実は頂小葉だけが極端に大きい奇数羽状複葉である。

頂小葉は円形で径20センチ程度になり、掌状に5中裂してカエデの葉の様である。

花期は6〜9月、茎の先に散房状の花序を出し、白色の小さな花を多数咲かせる。


オヤマノエンドウ  御山豌豆  マメ科  多年草

むらさき色のチョウ形の花を茎のさきに2個並んでつけています。

高さは3〜6センチぐらいで、地下に長く大きい根があり、地上の茎は短く、

葉とともに白い毛をかぶっていることが多く、ややふしたような感じです。
葉は3〜7対の小葉からなる奇数複葉で、小葉はさきの方がとがった細長いだ円形をしています。

オヤマノエンドウは山地に生えるエンドウの意味です。

オヤマノリンドウ  (御山竜胆) ・リンドウ科

・亜高山〜高山帯の草地や低木林の林縁に生える多年草。

・花は青紫色で、茎の先の葉腋に17個つけ柄はない。
・花冠は浅く
5裂する。

・開花時も先がチョット開くだけで全開しない。

・茎葉は披針形〜卵形で3脈、まれに5脈ある。

・基部は広いくさび形か、まるくてやや茎を抱いている。

・根生葉と下部の茎葉は縮んで鱗片状になる。

オヤマボクチ  雄山火口

キク科の多年草。茎は直立し、高さ11.5メートル、紫色を帯びる。

根出葉は大形、卵形で、長さ2035センチメートル、
裏面に白色の綿毛が密生する。茎葉は互生し、上方へしだいに小形となる。

910月、茎上部が分枝し、その先に大きな頭状花をつけ、下向きに開く。
総包は丸い鐘形で、長さ
34センチメートル。

総包片は狭披針(きょうひしん)形、中ほどで幅1.52ミリメートル、堅く、外片は開出する。
北海道、
本州東部、四国および中国大陸中南部にやや飛び石的に分布する。

オヨベギキョウ

千島桔梗の大輪選別種。花が大きく丸みを帯びている

オンタデ 御蓼

タデ科の多年草。別名イワタデ、ハクサンタデ。地下茎は深く地中に入り、茎は太く、分枝し、

高さ2080センチメートル、緑色または淡紅紫色で無毛。葉は有柄で互生し、卵形で先はとがり、

長さ817センチメートル、質は厚く、葉鞘(ようしょう)は膜質。

雌雄異株。花期は78月、枝先に大きな円錐(えんすい)花序をつくり、

花被(かひ)は帯緑黄色で長さ2.5ミリメートル、雄しべは10本内外。

中部地方以北の本州、北海道の高山の砂礫(されき)地に生え、樺太(からふと)(サハリン)、

千島にも分布する。名は長野県の御嶽山(おんたけさん)に由来する。母種のウラジロタデは、

オンタデよりやや北地に産し、葉裏が白毛に覆われている
野の花図鑑・あ行・終

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